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- 2025.04.15
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ADHDの特性に合わせた対処法とは?できないことを“工夫”で整えるヒント |松山市の心療内科・古町メンタルクリニックより
前回は、「ADHDの人が見ている世界」についてお話ししました。
今回は、そうした特性とどう向き合えばいいのか、具体的な工夫やサポート方法をご紹介します。
ADHDの対処は、「努力でなんとかする」ものではありません。
“できるようにする工夫”と“あきらめずに試す姿勢”が大切です。
■ 不注意への対処法
よくある困りごと:ミス・忘れ物・聞き漏らしが多い
工夫のヒント:
- 視覚的に「見える化」:ToDoリスト、スケジュールボード、色分けメモ
- 1つずつ話す・聞く:複数の指示は紙に書く
- タイマーやリマインダーを活用し、抜けを減らす
■ ワーキングメモリの弱さへの対処法
よくある困りごと:会話や手順の保持が難しい、混乱しやすい
工夫のヒント:
- 手順は図解・リスト化して常に見える場所に貼る
- 会話中はメモを取りながら聞く
- 一度に複数のことをしない(1つずつ順番に)
■ 衝動・感情のコントロールへの対処法
よくある困りごと:イライラ、後悔、爆発的な反応
工夫のヒント:
- 感情が強くなる前に「その場を離れる」クセをつける
- 日々の気分記録をつけ、パターンを知る
- 呼吸法・マインドフルネスなど、自分を落ち着ける練習をする
■ 過集中への対処法
よくある困りごと:止まらず疲れてしまう、他の予定が飛ぶ
工夫のヒント:
- 最初から「○分で終える」と決めてタイマーをセット
- 周囲に声かけを依頼し、切り替えのきっかけを作ってもらう
- 作業後に必ず「回復タイム(休憩)」を入れる
■ 時間感覚のずれへの対処法
よくある困りごと:ギリギリまで動けない、先延ばししてしまう
工夫のヒント:
- 予定を細かく分割(準備→出発→到着を別々に)
- タイムタイマーなど、「今この時間が見える」ツールを活用
- 自分だけの「前倒し締切」を作っておく
■ 実行機能の弱さへの対処法
よくある困りごと:段取りが苦手、気がそれる、完了できない
工夫のヒント:
- やることリストを「最初の一歩」まで具体化する
例:「掃除」ではなく「机の上の紙を5枚捨てる」 - 「始める」きっかけ作りに、環境を整えておく(机に道具だけ出しておくなど)
- 作業が途中で止まってもOK。「また戻れるように」中断メモを残す
■ ひとりで全部やろうとしなくて大丈夫
ADHDの特性は、工夫と周囲の理解で日常がずいぶん変わります。
完璧を目指さず、「ちょっと楽になった」「続けられた」そんな小さな成功を重ねていくことが大切です。
■ ご相談はいつでもどうぞ
古町メンタルクリニックでは、ADHDの診断・日常で使える工夫・ご家族の相談も行っています。
「どうしたらうまく暮らせるか」一緒に考えていきましょう。
→ ADHDについて詳しくはこちら:https://komachi-mc.jp/guide/