お知らせ・ブログ

パーツ1 パーツ2 パーツ3
お知らせ・ブログ
  • TOP
  • お知らせ・ブログ
  • 2025.07.29
  • ブログ

発達障害で学校や仕事がうまくいかない…

ひきこもりや自己否定に悩むあなたとご家族へ

──なぜひきこもるのか、自己肯定感を取り戻すためにできること              ┃松山市の心療内科・古町メンタルクリニックより

なぜ、ひきこもってしまうのか?

発達障害のある方が、学校や仕事に行けなくなり、ひきこもるようになる背景には、いくつかの共通した流れがあります。

1. 失敗の繰り返しによる疲弊

  • 学校や職場で「ちゃんとやっているのに失敗してしまう」「怒られる」といった経験が続く
  • 自分なりに頑張っているのに、まわりから理解されず、孤独感や劣等感を抱きやすい

2. 自己肯定感の低下

  • 「自分はダメだ」「どうせまた失敗する」という自己否定が心に根づく
  • 周囲と比較して「普通にできない自分」に落ち込み、挑戦する意欲がなくなる

3. 支援や外の世界への抵抗

  • 「もう失敗したくない」「傷つきたくない」という防衛反応が強まり、外に出るのが怖くなる
  • 「福祉や支援を受けるのは甘えでは?」と考え、サポートを拒むこともある

こうして、「外に出られない状態」=ひきこもりが続いてしまうのです。


支援への抵抗は、悪いことではありません

支援を受けることに抵抗感があるのは、とても自然な気持ちです。
「できない自分」を認めるようで怖い、恥ずかしい、周囲に知られたくない──
そうした想いは、多くの方が抱えています。

ですが、支援は「甘え」ではなく、
自分が再び安心して暮らせるようになるための“道具”です。
障害者手帳や就労支援は、「できないことを補い、得意を活かすためのサポート」。
無理に受け入れる必要はありません。
まずは「情報を知ること」から始めるだけでも十分です。


自己肯定感を少しずつ取り戻すために

  • 人と比べず、昨日の自分と比べる
    「今日は外に出られた」「家事を1つできた」など小さな変化を喜ぶ。
  • 失敗よりも“挑戦できたこと”に目を向ける
    完璧でなくてもいい。動こうとしたこと自体が前進です。
  • 得意なこと・安心できる環境を見つける
    家でできる趣味や得意なことに取り組むことも、回復のきっかけになります。

医療や相談機関ができること

  • 発達特性や二次的なうつ・不安の診断
  • 自己理解を深める心理教育やカウンセリング
  • 必要に応じた薬物療法
  • 家族への助言や支援(家族会・相談)
  • 就労・通所支援の情報提供や連携

「まずは話してみるだけ」でも構いません。
安心して相談できる場所を一つ持つことが、回復の入り口になります。


👨‍👩‍👧‍👦 家族のかかわり方──「何をしてあげたらいいのか分からない…」というときに

ひきこもりや自信喪失の状態にあるご家族を前に、
「声をかけていいのか、そっとしておくべきなのか分からない…」
「ついイライラしてしまって、責めてしまった」
そんなお気持ちを抱えているご家族はとても多いです。

家族にとっても「がんばらない支え方」が必要です。
本人の特性や気持ちに寄り添いながら、家庭という“安全基地”を整えることが、回復の第一歩につながります。


🍀 家族ができる5つのサポート

① 「本人の努力不足」と決めつけない
→「どうしてできないの?」ではなく、「どこで困ってるのかな?」と考える
→本人の中には“がんばりすぎて動けなくなっている自分”がいることも多いです

② 「できたこと」に注目する
→「ちゃんと外に出たね」「ご飯食べられたね」と、小さな変化を見つけて一緒に喜ぶ
→過去の失敗より“いまの一歩”を大切に

③ 「答えを出そうとしすぎない」
→アドバイスや解決策を求められない時は、ただそばにいて聴くことが最大の支援になることもあります
→焦らず、本人のペースを尊重する

④ 家族自身も、疲れを認めていい
→支える側も「限界」や「しんどさ」があって当然です
→相談機関や家族支援の場(家族会など)を利用することも大切なケア

⑤ 支援や制度について「一緒に調べてみる」
→「こういう場所があるみたいだけど、どう思う?」と提案する形で共有
→無理に勧めるのではなく、選択肢として見せてあげる


💬 こんな言葉が本人の安心につながります

  • 「あなただけじゃないよ。困ってる人はたくさんいるよ」
  • 「失敗してもいいよ。できることを少しずつやっていこう」
  • 「あなたがいてくれるだけでうれしい」
  • 「話したくなったら、いつでも聞くからね」

本人は「迷惑をかけている」「家族に心配をかけている」と感じていることも多く、
責めるつもりのない一言がプレッシャーになることもあります。
だからこそ、安心できる“沈黙の時間”や“待つ姿勢”も大切です。


🏡 家族も一緒に回復していくために

家族は「支える側」ではありますが、同時に「支えられるべき存在」でもあります。

  • 医療機関での家族面談や家族支援プログラム
  • 市区町村や福祉事業所でのペアレントトレーニングや家族会
  • 家族相談員による個別相談

こうした場を活用することで、“本人とのかかわりに正解が見つからない”不安を軽減することができます。


💡 最後に:家族ができること、家族にしかできないこと

「大丈夫。あなたはここにいていいよ」

そんなメッセージを、毎日の関わりのなかで伝えていくこと。
それが、一番の自己肯定感の土台になります。

家族だけで抱え込まずに、必要なサポートを受けながら、ともに回復の道を歩む。
それが“共に生きる”ということかもしれません。


📌 松山市の心療内科|古町メンタルクリニック

当院では、発達障害やひきこもり状態にあるご本人はもちろん、
ご家族からのご相談にも丁寧に対応しています。

「どうしたらいいのかわからない…」という状態で大丈夫です。
まずは一度、お話にいらしてください。

一覧に戻る