お知らせ・ブログ

- 2025.05.09
- ブログ
復職を考えている方・休職中の方は必ず目を通して下さい。──「働くとは?」 正解のない世界で、自分なりの歩き方を探す |松山市の心療内科・古町メンタルクリニックより
はじめに
古町メンタルクリニックでは、休職や復職のご相談を日々お受けしています。
「職場に戻れるだろうか」「また体調を崩してしまうのでは」
──そんな不安を抱えながら、再び一歩を踏み出そうとしている方がたくさんいらっしゃいます。
復職には、診断書や意見書の準備、職場との調整、生活リズムの再構築など、やるべきことがたくさんあります。
けれどそれと同じくらい大切なのが、「働くとは何か?」という根本的な問いと向き合うことかもしれません。
働くとは──はっきりとした意味や目的がないもの
働くとは、意味も目的もよくわからない、矛盾だらけのものです。
「頑張れ」と言われながらも、無理をすると壊れてしまう。
「自由にやっていい」と言われても、評価は他人が決める。そんな矛盾に満ちた世界で、私たちは日々揺れながら働いています。
その矛盾を「なかったこと」にしようとしたり、
簡単な理屈にあてはめて無理に意味づけしようとすればするほど、
かえって苦しくなってしまうこともあります。
微妙なバランスの上でやっていくもの
働くというのは、白黒つかないものの中で、
あっちに行ったり、こっちに戻ったりしながら、
微妙なバランスの上でやっていくものです。
うまくいく日もあれば、うまくいかない日もある。
「よし、今日はがんばれたな」と思える日もあれば、
「もう無理だ」と思う日もある。
それでも、その都度自分と向き合い、
少しずつバランスを取りながら進んでいく──
それが「働く」ということの現実なのかもしれません。
自分の無力さと折り合いをつけながら
自分の無力さと折り合いをつけながらやっていく。
そうすると、あるときふっと、小さな感動に出会うことがあります。
それは「評価」でも「結果」でもないかもしれません。
ただ、「今日ここまでできたな」「少し気持ちが前を向いたな」
そんなささやかな瞬間に、心がじんわりと温かくなることがあります。
正解のない世界で、自分の歩き方を探す
学生時代までは、「正解」がありました。
テストで点が取れれば、合っているかどうかはすぐにわかりました。
けれど、社会では違います。
明確な答えがないもののなかから、何かを選ぶ。
どれも正解とは言えないものの中から、自分なりの選択をしていく。
そんな世界に、私たちは立っています。
だからこそ迷い、だからこそ悩むのです。
でも、それはあなただけではありません。
充実感は「誰かになる」ことではなく、「自分として在る」ことから
充実感とは、特別な個性や専門性を持っていなくても、得られるものです。
自分にできることを、今日一日、ていねいにやってみる。
その積み重ねの中で、ふと感じられる達成感が、
本当の意味での“充実”なのかもしれません。
最後に──今のあなたのままで、話してみてください
「働くことに意味を感じられない」
「復職したい気持ちと、怖い気持ちが混ざっている」
「自分に合った働き方が分からない」
そんな思いを、どうか一人で抱え込まないでください。
心が揺れているときは、何かが変わり始める前兆でもあります。
私たちは、そんなあなたの声に耳を傾け、一緒に道を考えていきます。
必要なのは「完全な自分」ではなく、揺れながらも問い続ける姿勢。
その歩みに、私たちもそっと寄り添えたらと思っています。