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- 2025.07.28
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会話が苦手でも大丈夫|ASDの人が感じやすい“対人の困りごと”とやさしい工夫8つ ┃松山市の心療内科・古町メンタルクリニックより
はじめに
「何を話したらいいのかわからなくて、沈黙してしまう」
「相手の気持ちがわからなくて、“嫌なこと言っちゃったかも…”とあとで不安になる」
「ジョークやたとえ話がわからなくて、その場にいるのがつらくなる」
ASD(自閉スペクトラム症)のある方は、人との会話やコミュニケーションがとても苦手に感じることがあります。
それは、性格ではなく、生まれつきの「感じ方」や「考え方」の違いからくるものです。
今回は、ASDの方がよく感じる「会話の困りごと」と、それを少し楽にするための「やさしい工夫」をご紹介します。
💡よくある困りごととやさしい工夫
① 話の途中で、何を言えばいいのかわからず沈黙してしまう
🌱工夫してみること:
- 「そうなんですね」「それでどうなったんですか?」などの使いやすい言葉をいくつか覚えておく
- 話せないときは「うんうん」とうなずくだけでも大丈夫
- 家族や支援してくれる人と、会話の練習をしてみるのもおすすめです
② 相手の気持ちや意図がわからず、あとで「失礼だったかも」と落ち込んでしまう
🌱工夫してみること:
- 会話のあとに「どんな話をしたかな?」とちょっとメモしてみる
- 家族や信頼できる人に「さっきの言い方、大丈夫だったかな?」と聞いてみる習慣をつける
- 表情や言いまわしの意味を、本や動画でゆっくり学ぶことも助けになります
③ ジョークやたとえ話がわからず、その場の会話についていけなくなる
🌱工夫してみること:
- 意味がわからないときは「へぇ、そうなんですね」とやさしく返すだけでもOK
- 「それってどういう意味ですか?」と思いきって聞いてみる練習もしておくと安心です
- よくある例えや言いまわしを、調べて知っておくと、少しずつ慣れていけます
④ 「何を話したらいいか」が思いつかず、黙ってしまう
🌱工夫してみること:
- 「天気」「最近食べたもの」「趣味」「テレビ」など、話しやすいテーマをメモしておく
- 「最近○○にハマってて…」などの**会話の“はじまりフレーズ”**を用意しておく
- 話すのが難しいときは、「今日は聞き役でいよう」と無理をせず過ごしてもOKです
⑤ 気持ちが顔に出にくくて、誤解されてしまう
🌱工夫してみること:
- 「嬉しいけど、顔に出づらくてごめんね」と言葉で気持ちを伝える
- LINEやメッセージで、文字で気持ちを伝える方法も使ってみてください
- 自分の表情のクセを鏡や動画でチェックしてみると、自分を知るヒントになります
⑥ 周りに合わせようとして、がんばりすぎて疲れてしまう
🌱工夫してみること:
- 「合わせすぎると、自分がしんどくなるな」と気づくだけでも大切な第一歩です
- 体や心が疲れたときのサイン(頭痛、疲労感など)を書き出しておく
- 信頼できる人と、「最近がんばりすぎてないかな?」と一緒に振り返る時間をつくってみましょう
⑦ 無表情・無反応に見えるけど、実は心の中でドキドキしている
🌱工夫してみること:
- 「表情に出にくいけど、実は緊張しています」と前もって伝えておくと安心です
- 「びっくりしてます」「ちょっと動揺してます」など、気持ちをことばにして伝える練習をしてみましょう
- 自分の特性を、まわりの人に知ってもらうことも、すれ違いを減らす助けになります
⑧ 得意な話題以外が浮かばず、無理に話してつかれてしまう
🌱工夫してみること:
- 相手の話に「そういえば、それに似た話があって…」と自分の得意な話に少しずつつなげる
- 話題が思いつかないときは、「少し考えてもいいですか?」と時間をもらってOK
- 話すのがつらいときは、聞き役にまわるだけでも十分です
☕疲れないための“こころのヒント”
- 沈黙してしまうことは、悪いことではありません
- 「ちゃんと話さなきゃ」よりも、「自分がどう感じているか」に気づくことを大切に
- 無理に“普通”を目指さなくても大丈夫。自分らしいやり方を見つけていければOKです
🏥古町メンタルクリニックでは
当院では、ASDや発達障害のある方の「人間関係がしんどい」「会話に自信がない」といったお悩みに、丁寧に寄りそったサポートを行っています。
- 会話がうまくいかない理由を知りたい
- 自分の特性に合った伝え方を見つけたい
- 就労や学校での困りごとを相談したい
そんなお気持ちに、安心してお話しいただける場所をめざしています。
「うまく話せない自分」でも、そのまま来ていただいて大丈夫です。
お気軽にご相談ください。