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- 2025.06.06
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不登校は“甘え”ではない──心療内科ができる子どもと家族へのサポート |松山市の心療内科・古町メンタルクリニックより
■ 不登校は「こころのSOS」
学校に行きたがらない
朝になると体調不良を訴える
部屋にこもってゲームばかり──
そんなお子さんの姿に、戸惑い、悩んでいませんか?
不登校は、本人の甘えではなく「こころと体からのSOS」です。
その背景には、さまざまな悩みや特性、環境要因が絡み合っています。
心療内科では、こうした状況に丁寧に向き合いながら、本人だけでなくご家族も含めたサポートを行っています。
■ 不登校の背景にあるもの
- 学校でのストレス(人間関係・授業についていけない等)
- 発達特性(ASDやADHDなど)による集団生活の難しさ
- 家庭内のプレッシャーや変化
- いじめやトラウマ、自己肯定感の低下
本人も「なぜ行けないのか」が分からず、うまく言葉にできないまま、苦しんでいることが少なくありません。
■ 「休ませていいのか、押し出すべきか」という親の葛藤
「このまま休ませていていいのか…」
「でも無理をさせて、壊れてしまったら…」
そんな“ダブルバインド”の状態に、悩む保護者の方はとても多くいらっしゃいます。
でもこれは、「どちらが正しいか」を決めるのではなく、
まずは安心して休むこと。その後で“この子にとっての生き方”を一緒に考えていくこと
が何より大切です。
■ 外来でできる不登校支援の具体例
● 本人との対話による「気持ちの整理」
まずは信頼関係を築きながら、少しずつ「何がつらかったのか」「今どうしたいのか」を整理していきます。
話せないときは、沈黙も大切な時間です。
● 生活リズムの立て直し
昼夜逆転、スマホ依存、食欲の乱れなど、不登校による生活の崩れにも着目します。
「決まった時間に外来に行く」「家族以外の人と接する」といった小さな目標が、生活の再構築につながります。
● 定期的な通院が「つながり」のきっかけになる
お子さんのペースに合わせて、診察やOTで声かけや関係づくりを行っていきます。
- 「定期的に会う人がいる」という安心感
- 「話を聞いてくれる大人がいる」という信頼
- 「今日はちょっと外に出てみようかな」という小さなチャレンジ
こうした体験を通して、外との接点を無理なく広げていくことができます。
● 外来作業療法(OT)で“安心して過ごせる時間”を
言葉で話すことが苦手なお子さんには、創作・ゲーム・身体活動を通じた支援が効果的です。
- 感情を整理する
- 他者と関わる練習をする
- 成功体験を積み、自信を取り戻す
「診察だけではない支援」が、子どもの自己回復力を高めます。
■ 通院が難しいときは──訪問看護という選択肢
外に出るのもつらいとき、心がまだ動けないときには、訪問看護による支援も可能です。
- お子さんのペースに合わせて、看護師やスタッフが自宅を訪問
- 話さなくてもいい、ただ「会う」だけの日も大切に
- 信頼関係が少しずつ生まれ、「外に出てみよう」という意欲につながることも
「来るのではなく、“来てくれる”」という支援スタイルは、回復初期の心にやさしく届きます。
■ 「その子にとってのゴール」を一緒に探す
「学校に毎日通う」ことだけがゴールではありません。
大切なのは、その子にとって意味のある未来を、小さなステップで作っていくことです。
- 午前中に起きる
- 着替える
- 家の外に出てみる
- 好きなことを見つける
- 誰かと少し話す
心療内科では、こうした“できること”を一緒に探し、積み重ねていきます。
■ 多様な進路・選択肢を知ること
学校だけがすべてではありません。
- フリースクール
- 通信制高校
- サポート校
- 地域の若者支援機関
- 就労体験・アルバイトなど
「行けない」から「選べる」に変わることで、子ども自身の視界が広がり、前に進む力になります。
■ 親御さんの不安にも寄り添います
不登校の子を支える中で、保護者の方もまた大きな不安や罪悪感を抱えています。
- 「このままで本当に大丈夫…?」
- 「自分の育て方が悪かったのでは?」
- 「将来どうなるのか分からない…」
心療内科では、親御さんだけの面談も受け付けています。
一緒に不安を言葉にしていくことで、子どもとの関わり方にも安心が生まれていきます。
■ 兄弟姉妹へのフォローも忘れずに
家庭の中で不登校の子に注目が集まると、他の兄弟姉妹が「自分は我慢しなきゃ」と無理をすることがあります。
- 自分の気持ちを話せない
- 遠慮してしまう
- 「私は大丈夫だから」と抱え込む
ご家族全体がバランスよく安心できるように、家族全体を支援する視点も大切にしています。
■ 最後に──「この子らしく生きる未来」のために
不登校は「通えないこと」ではなく、
**「この子が、自分らしく生きる道を見つけるための時間」**かもしれません。
そして、その道は一人で見つけなくてかまいません。
私たちが、あなたと、お子さんのそばで、一緒に考えていきます。
📍 不登校でお悩みの方へ|まずはお気軽にご相談ください