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- 2025.06.27
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「人間関係がうまくいかない原因は“甘えられなかった過去”? アダルトチルドレンという考え方」 |松山市の心療内科・古町メンタルクリニックより
■ アダルトチルドレンとは?幼少期の家庭環境と人間関係のつまずき
「人と関わるのが怖い」「近づきすぎると不安になる」「でも、ひとりはさみしい」
そんな複雑な感情を抱えている方の中には、アダルトチルドレン(AC)と呼ばれる傾向を持つ人が少なくありません。
アダルトチルドレンとは、機能不全な家庭環境(たとえば親が感情的に不安定、過干渉、無関心、依存的など)で育ち、大人になってからもその影響を強く感じる人を指します。
子どもの頃、本来であれば「安心して甘える」ことができるはずの親や大人に甘えることができず、
感情を押し殺したり、常に「いい子」でいようとしたり、家族の役割を過剰に背負っていた──
そんな過去が、今の人間関係の悩みに影を落としていることがあるのです。
■ 甘えられなかった経験が、大人の人間関係にどう影響するのか
◎ 人に頼ることが怖い
人に「助けて」と言うことができない。
頼ることは迷惑をかけること、自分が弱い証拠だと感じてしまう。
その結果、無理を重ねて疲れてしまったり、「誰も分かってくれない」と孤立感が深まることがあります。
◎ 自分の気持ちを抑えてしまう癖
本当は嫌なことにも「いいよ」と言ってしまう。
気を遣いすぎて、相手の顔色ばかり見てしまう。
感情を出すことが苦手で、自分でも何を感じているのか分からなくなることもあります。
◎ 近づきすぎると不安、離れると孤独
人との距離感がうまく取れない。
近づきすぎると不安になって関係を壊してしまったり、逆に離れすぎて孤独に苦しんだり。
「どうすれば安心できる関係を築けるのか」が分からないまま、大人になってしまうのです。
■ 「甘えられなかった自分」を責めないで:回復の第一歩
人に頼れなかった、甘えられなかった──
その背景には「甘えたくても甘えられなかった」という環境的な制限があったことがほとんどです。
それはあなたのせいではありません。
まずは、「そうするしかなかった自分」を否定せずに認めてあげることが、回復の第一歩です。
■ 心理的に安全な人との関係を少しずつ育てる
大切なのは、今のあなたにとって安心できる関係の中で、少しずつ感情を出してみること。
信頼できる人に「実はちょっとしんどいんだ」と伝えてみる。
小さな一言で構いません。
頼ること、弱さを見せることは「悪いこと」ではなく、「必要なこと」です。
■ 心の穴を埋めていく「小さな甘え」の積み重ね
少しずつ、「助けて」と言ってみる。
少しずつ、「自分の気持ち」を話してみる。
そうした小さな甘えの積み重ねが、かつて埋められなかった心の穴を、ゆっくりと癒していきます。
完璧でなくてもいい。
甘えてもいい。
「頼っても大丈夫」と思える経験が、あなたの中に安心を取り戻してくれるはずです。
■ まとめ:完璧じゃなくていい。少しずつ、自分を許していく
人間関係に悩むとき、「自分の性格のせい」と感じてしまうかもしれません。
でも、本当は過去の経験がそうさせているだけかもしれないのです。
まずは、甘えられなかった自分をそっと抱きしめてあげてください。
そして、少しずつでもいいから、「今の自分が安心できる人間関係」を育てていきましょう。
■ 松山市で心療内科をお探しの方へ
古町メンタルクリニックでは、アダルトチルドレンや人間関係のお悩みに関するご相談を丁寧にお受けしています。
「人との距離感がつかめない」「甘えられないまま大人になってしまった」と感じる方も、ぜひ一度ご相談ください。
安心して話せる場所で、一緒に心の整理をしていきましょう。